大阪以外はほぼ頭打ちの入院患者状況

 このところテレビには政府お抱えの感染症専門家だとかどこかの医師会だとかがあれこれ言っているようだ。今は「勝負の3週間」などと言われているらしい。筆者は言うべきことを言わない書くべきことを書かないインチキなメディアはまともに付き合わないが、10日前ブログであと10日ぐらい様子を見るべきと書いた手前、主要都道府県の入院数の現状を書いておく。
 10日前にはそろそろピークアウトするかと見ていたが、胸突き八丁といったところだ。もちろん都道府県単位では医療崩壊したところも医療崩壊しそうなところもない。
 旭川市と大阪府に自衛隊の医療チームが派遣されたが、これも前回ブログで書いたように病院経営の悪化のあおりとストレスから全国の病院で看護師が辞めて不足している状況が続いているという事だ。医師ではなく看護師の派遣であり、これはいた仕方ないだろう。
第一波のイタリアでは看護学校の学生まで臨時に駆り出して看護にあたるような異常事態体制が引かれたが、日本国内はそこまでひっ迫していない。

 繰り返しになるが、国内のメディアが毎日今日は何人などと報告している日別の「感染者発生数」なんぞはどうでもいい。今何人入院しているか「入院患者数」の方が医療がひっ迫するのかどうかの重要な指標だ。この記事でも入院患者数、重症者入院患者数と病床数、重症者向け病床数の話だけをする。
 感染者数がいくら増えようが、退院する人が多ければ入院患者数は増えない。それだけの話だ。国内のメディアの多くは『史上最多』だのなんのといって、いたずらに視聴者の恐怖をあおっている。そんな連中に付き合って見誤ってはいけない。

 筆者の考え方は、<医療がひっ迫していない限りぎりぎりまで経済にストップをかけない>ということだ。旅行や飲食といった経済にストップをかけることは国内総生産の7割に当たる産業にダメージを与え、零細事業者やアルバイト、パート、苦学生といった経済弱者を追い詰めることになる。(この点、米国民主党は人種差別反対、弱者保護を謳いながらやたらとロックダウンをやりたがり、逆に米国共和党がそれをできるだけ回避しようとしているのが興味深い対比だ。日本のメディアはまあ大体米国民主党系メディアのような報道をする)

1)北海道
 北海道は旭川市で大規模な病院クラスターが発生したようで、12月10日時点の入院患者数にすべて反映していない可能性もあるが、傾向としてはピークを迎えているようだ。入院患者の病床占有率は55%と10日前より若干下がり、重症患者の病床占有率は18%と変わらず。
北海道キャパと現状.JPG
直近を細かく見てみると次図のようになる。(縦軸スケールを拡大しているので病床数の線は表示されない)
北海道詳細.JPG
頭打ちが始まっているが、もう少しでピークアウトすると筆者はみている。

2)大阪府
 注目都道府県で入院患者数の頭打ち傾向が見られない唯一の自治体が大阪府だ。12月10日時点で病床占有率は63%、重症患者向け病床の占有率は41%と高いレベルが続いている。
大阪府キャパと現状.JPG
少し細かく見てみると次図のようになる。
大阪府現状.JPG
★なぜ大阪府が病床ひっ迫の危機にあるのか?
 これに対する答えは「大阪府の保健当局が<あんごう>だから」というのが筆者の答えだ。(「あんごう」は岡山弁でバカの意味)
厚労省はCOVID-19(新型コロナウィルス症)患者の容体が回復したら、2回のPCR検査が陽性でなくとも退院させて良いと通達を出している。
他の都道府県はみなそうしている。しかし大阪府の保健当局だけはPCR検査で2回の陽性が出るまで退院させないのだそうだ。これは大阪府在住の医師の情報である。(現場から訴えたい、コロナ病床逼迫の真の原因)症状が快癒しても陽性とでるなら宿泊施設での隔離管理で十分である。
 実際感染者発生数と退院数の数位具ラグを見ると大阪府だけは退院が遅い。次図は東京都、兵庫県の推移図。
東京都の推移図.JPG兵庫県の推移図.JPG
これに対して大阪府の推移図を見てみると青線(感染者発生数)に対して緑線(退院/宿泊静養終了数)の立ち上がりが明らかに遅い。つまり大阪府だけは入院期間が長いことが分かる。
大阪府の推移図.JPG
 大阪府では症状が回復しても退院させないのだから入院患者数は減らないわけだ。これは<大あんごう>と言わざるを得ない。

3)兵庫県
 前回ブログ記事で病床占有率が最も高いと書いた兵庫県はその後少し増えてから頭打ち傾向になった。全体の病床占有率は63%、重症者向け病床の占有率は38%とまだ高い水準にある。「なぜ兵庫県が?」という問いに対する答えは前回ブログで書いている。県知事が何の努力もせず、コロナ専用病床を少しも増やしていないためだ。これも<あんごう>としか言いようがない。あるいは県の医師会がほかの県ではあり得ないほど非協力的なのか?
兵庫県キャパと現状.JPG

直近をスケールアップして示すと次図のようになる。ピークアウトし、減少傾向に入ったといっていいかもしれない。入院患者が減る一方で重症者数が一時的に増えることはありえる。しかし入院患者数の減少に対して2,3週間の遅れで重症者も減少傾向に入ると期待できる。
兵庫県現状.JPG

4)東京都
 東京都も感染者発生数になかなか歯止めがかからず、入院患者数もいったんピークアウトしたかに見えたがまだのようだ。しかし入院患者の病床占有率は47%、重症者向け病床占有率は12%とまだ余裕がある。地域によって濃淡はあるだろう。そんなことは東京都内で調整しすればよろしい。いちいち全国メディアでさわぐな。と言っておく。
東京都キャパと現状.JPG
直近をスケールアップしてみると次図のようになる。
東京都現状.JPG

5)埼玉県
 前回ブログで全国で4番目の注目都道府県とした埼玉県は12月6日をピークにピークアウト(山を越した)したように見える。全体の病床占有率は12月10日時点で前回記事より少し増えて50%、重症者向け病床占有率は23%となった。
埼玉県キャパと現状.JPG
直近をスケールアップしてみると次図のようになる。
埼玉県現状.JPG

 なお首都圏の他県については数字だけ触れておく。12月10日時点での病床占有率は神奈川県では22%、千葉県では28%、重症者向け病床占有率は神奈川県では28%、千葉県では13%だった。

6)沖縄県
 前回ブログでは触れなかったが、沖縄県単体は実は第二波(夏場)でいったん医療崩壊している。病床数が間に合わず患者を鹿児島の病院に搬送して治療してもらっていた。沖縄は北海道と並ぶ人気の観光地だが、北海道ほど医療体制が整備されていなかったためそうなった。そういうこともあり、沖縄県の場合はまたひっ迫すればまた鹿児島県におんぶにだっこになる可能性があり、あまり危機感がないかもしれない。
 12月10日時点では全体の病床占有率は46%、重症者向け病床占有率は40%と結構高い。
沖縄県キャパと現状.JPG
直近をスケールアップしてみたものを次図に示す。沖縄も頭を打ったものと思われるが、ピークアウトまではもう少しというところだろうか。
沖縄県現状.JPG

7)愛知県
 愛知県も筆者が注目している自治体だが、HPの更新頻度が低く、トレンドを追いかけられるほどのグラフにはならないので数字だけ紹介しておく。12月10日はたまたまHPが更新された。この時点の全体の病床占有率は52%、重症者向け病床占有率は40%とかなり高い。11月30日の病床占有率は45%、12月5日の病床占有率も45%だったので注意すべき状況ではある。ただし愛知県のコロナ専用病床数は897床で、埼玉県の
1251床、千葉県の1147床に比べると見劣りがする。愛知県も10月以降増床しているので、入院患者の急増に追い付ければ十分に間に合うとは考えられる。

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